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      憲法9条を護る!


   日本国憲法第9条(戦争放棄・軍備および交戦権の否認)

1. 日本国民は正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動

たる戦争と武力による威嚇、または武力の行使は、国際紛争を解決する手段と 

しては永久にこれを放棄する。                    

2. 前項の目的を達するため陸海空軍その他の戦力はこれを保持しない。国の

交戦権はこれを認めない。                       




     (以下は、東京学芸大学の名誉教授で、クリスチャンでも     

     いらっしゃる池谷彰(いけやあきら)先生が書かれたもの

     です。ご本人の許可を得て、ここに転載します。)        

     多少の誤字・脱字がある場合はご容赦ください。         





               も く じ

    1. 敵が攻めてきたらどうやって守れますか?          

    2. 無防備は最大の防備である                 

    3. 日本もそろそろ「普通の国」になるべきだ         

    4. 日本国憲法は古くなったので、世界の現実に合わないのではないか?

    5. 日本国憲法の存在価値                   

    6. 言葉の魔術

    7. では、日本はどうしたらいいのか?              

    8. 良心的軍事拒否国家としての日本__小田実氏の提言     

    9. 終わりに                         




               なぜ憲法9条を護らなければならないのか?

                               池谷彰

 近頃、日本国憲法の改悪の動きが活発になっていますが、私はその動きを少し

でも止めるために「生田9条の会」に属して、残り少なくなった黄昏の人生です

が、できる限りのことをしています。この運動に携わってきて遭遇したいくつ

かの質問・問題を取り上げましょう。                   



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1. 敵が攻めてきたらどうやって守れますか?              

 この質問は憲法9条を改悪(という刺激的な言葉は慎みましょうか、『改訂』と

いう言葉に換えてもいいですが)しようとする人たちがしばしば発する質問です。

この場合の「敵」とはさし当たって北朝鮮でしょう。しかし、よく考えてみて 

ください。経済的に疲弊しきっている北朝鮮に攻撃力などあるとお考えですか?

しかも、ご存じのように日本列島は海岸線がきわめて長いのです。その日本列島

に攻め込むためには莫大な海軍力が必要であることは子どもにもわかります。 

「敵が攻めてきたら」という発想自体がそもそも非現実的な発想なのです。  

しかし、最近の政府の動きを見ていますと、やたらに北朝鮮の脅威を煽り立て

て、その挙げ句の果てには闇雲に防衛庁を防衛省に昇格させてしまいました。 

北朝鮮のテポドン騒ぎで、一番シメタと思っているのは政府自民党ではないで 

しょうか?                               



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2. 無防備は最大の防備である                     

 丸裸であることが最大の防御であることを証明した歴史的事実がいくつかあり

ます。フランス モラリストのモンテーニュ(1533〜1952年)を皆様は 

ご存じでしょう。その人が書き残したエッセーの中に「鍵をかけてある家々は 

盗賊を誘う。押し込み強盗は開けっ放しになっている家々の前を通り過ぎる」と

いう題で始まる章があります(第2巻15章)。「我々の国の内戦の暴力から私

の家をまぬかれさせているのには、おそらく容易に入れるということがほかのいろいろ

の方策のうちで一番役に立っているのだろう。防御は攻勢を呼び、挑発は攻撃を

呼ぶ」(荒木昭太郎訳)とあるように、ボルドーにある城は無防備のゆえに強盗

にも入られずに済んだと書かれています。                 

 第二次世界大戦のことを思い出してください。パリ・ローマは無防備都市と 

して最後まで貫きました。そのおかげでナチの軍隊に蹂躙されませんでした。 

 また、太平洋戦争の末期に、渡嘉敷村の前島では国民学校(戦争中は 

小学校をそう呼んでいました)の分校長さんの比嘉儀清が必死の覚悟で日本軍の

撤退を求め、無防備を貫き通しました。米軍も上陸して調査の結果、日本軍が 

いないことが分かると、「攻撃を加えないから安心して生活するように」と  

スピーカーで放送して立ち去ったという動かしがたい事実があります。    



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3. 日本もそろそろ「普通の国」になるべきだ         

 日本も世界に冠たる経済大国なのだから、「普通の国になってもいいんじゃ 

ないか」。こういう考えが我々の心のどこかにありませんか?しかし、よく考え

てみてください。「普通の国」とは何ですか?アメリカのような横暴極まる国 

ほどではなくても、せめてイギリス・フランスのように正規の軍隊を持ち、戦争

ができるような国になってもいいじゃないかと考えたくなります。流行りの言葉

を使うと、「国家の品格」を持った軍備を持ってもいいじゃないかということ 

です。ドイツにもそのような考えがあったそうです。今もあるかもしれません。

しかし、何を基準にして「普通の国」というのですか?意味の定まらない言葉に

操られるのはもうやめようではありませんか。我々が戦争に突入したのは、意味

の定まらない言葉、例えば、「日本は神の国」だという言葉(どこかの首相が 

つい最近も公の場で使って、世界中に大恥をかきましたが)に踊らされたから 

ではありませんか?                           



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4. 日本国憲法は古くなったので、世界の現実に合わないのではないか?  

 こういう意見も我々がしばしば耳にします。平川克美という人が1月13日の

「私の視点」という朝日新聞の記事の中で面白いことを書いています。『憲法が

現実と遊離しているから現実に合わせて憲法改正すべきであるという理路の

根拠は何か。もし現実の世界情勢に合わせるなら、憲法はもはや法としての権威

を失うだろう。憲法はそもそも、政治家の行動に根拠を与えるという目的で制定

されているわけではない。変転する現実の中で、政治家が臆断に流されて

危ない橋を渡るのを防ぐための足かせとして制定されているのである。当の政治

家が、これを現実に合わぬといって批判するのは、そもそも、盗人が刑法が自分

の活動に差し障るというのに等しい』。                 

 全く胸のすくような論旨ではありませんか。憲法を改悪しようとしている  

政治家を「盗人」に例えています。痛快です。私は一言も付け加える必要は  

ありません。                              



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5. 日本国憲法の存在価値                       

 日本国憲法は今や政府・自民党・公明党・民主党などの政党や、武器製造  

(もうすでにMなる会社ではとおの昔からしていますが)・武器輸出をしたくて

うずうずしている財界・産業界からは邪魔者扱いにされ、滅多切りにされて

その存在価値が影薄くなっています。その風潮に踊らされて我々もなんとなしに、

もうそろそろ変えてもいいじゃないかと考えたくなります。そんな思いが我々の

心の中のどこかにありませんか?しかし、我が国の憲法はそんなに粗末に扱って

はならないほどの高い価値を持っています。                


5.@ 日本人は戦後処理をドイツがユダヤ人問題を処理したことを引き

合いに出されて、きちんとしなかったと言われ続け、肩身の狭い思いをしてきま

した。私も2004年から1年間、ソウルで韓国語を学んできましたが、個人的

に私を攻撃する人はいなかったのですが、新聞・ジャーナリズムではドイツとの

比較をされて辛い思いをしました。よく考えてみてください。この平和憲法が

謝罪・和解の保障となってきたということを。世界諸国、特に残虐行為の限りを

尽くしたアジア諸国に対しては、謝罪の意味も込められているということを忘れ

ないでください。それを改悪しようとするのですか。考えてみただけでもゾッと

します。                                


5.A 平和憲法が「足かせ」となって、戦後60年間我が国はどこにも

戦争を仕掛けませんでしたし、人殺しのための出兵をしませんでした。ベトナム

戦争では韓国はベトナムへの派兵をアメリカによって強要されました。韓国は

『我々は開闢以来人殺しのために出兵をしたことのない国である』と胸を張って

きましたが、その誇るべき歴史に大きな汚点がついてしまったと韓国の識者は 

嘆いています。アメリカ政府に頼まれもしないのに(実際には頼まれたかもしれ

ませんが)イラクにはいわゆる「非戦闘地域」に自衛隊を派兵しています。少し

横道にそれますが、安倍総理大臣がベルギーのNATOで演説をして、NATO

がアフガニスタンで行っている軍民混成による人道活動を支援するといいました。

防衛省に昇格すると途端に海外出兵が当然のこととされています。恐ろしい

ことだとは思いませんか?                        


5.B コスタリカ憲法の模範となっていること           

 人口450万人(2005年)のコスタリカは、1949年の憲法12条で、

常備軍としての軍隊の保有を禁止しました。1983年に「永世的、積極的、

非武装中立に関する大統領宣言」を行い、平和国家の立場を鮮明にしました。そ

のおかげで識字率は何と97%に達しています。              


5C 日本国憲法がハーグ平和アピールの模範となっていること   

 1999年、オランダ・ハーグに世界中から約700のNGOが参加して、

「ハーグ平和アピール」という会議が開かれました。この会議の最終的な討議を

まとめた覚書の中で、「各国議会は日本国憲法第9条のような、政府が戦争

することを禁止する決議を採択すべきである」とありますように、日本国憲法は

世界市民の注目の的となっていることも留意いただきたいのです。      



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6. 言葉の魔術

6.@ 『日本は国際貢献・国際協力をすべきだ。それが自由にできる 

ために憲法を改正すべきだ』                       

 この意見は一見するともっともな意見のように思えます。しかし、よく考えて

みてください。「国際」という内容ですが、これは「アメリカ政府」もしくは

「西側ヨーロッパ」ではありませんか?いつの間にか日本の政治家は日本が  

アジアの一員であることを全く忘れ去っています。「国際」という言葉に   

騙されないでください。国連加盟国の多くがイラク派兵に反対している中で、

日本だけが突出していわゆる「国際協力」の名の下に、派兵を強行しています。 

言葉のごまかしのもう一つの例をあげましょう。              


6.A 「国益」にかなう。                    

 一見すると、この言葉は魔術師のように我々の思考力を奪ってしまいます。 

「憲法を変えることが国益にかなう」のだといわれると、我々はへなへなと倒れ

込んでしまいそうに、説得されそうになります。これと対をなす言葉が国賊・ 

非国民なる言葉です。しかし、よく考えてみてください。「国」とは何ですか?

政府のお偉方は「国を愛すべし」と主張して教育基本法なる法律まで無理やり

に、やらせのタウンミーティングまでやって、恥も外聞もなく強行採決して  

しまいました。ここで、『国』とは何ですか?そんな抽象的なものがありますか?

奈良・京都の神社・仏閣に接すると本当にこの国に生まれて良かったと  

しみじみ思うのは私ひとりではないでしょう。奈良・京都に残された文化遺産を

愛するというなら分かります。しかし、『日本』という抽象的なものを愛せよと

いわれても困ります。                

 寺山修司という詩人は

 「マッチ擦るつかのまの海にきりふかし 身捨つるほどの 祖国はありや」

と歌いました。彼はこの詩一行で『祖国』なる抽象的な存在を見事に否定しました。

だから、祖国愛を計るために日の丸を掲揚し、国歌を斉唱させることの無意味さ

を見事に言い表しています。繰り返して訴えます。『普通の国』『国益』『国際

協力』『国際貢献』などの言葉の魔術・魔力に引っかからないで頂きたいのです。



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7. では日本はどうしたらいいのか?                 

 ここまで読んでこられた方は、「ご意見ごもっとも。じゃあ、日本は具体的に

どうすればいいというのですか」とおっしゃるかもしれません。       

 200年前に生きたドイツの哲学者カントというと、途端に身を引かれる方

が多いかもしれません。もうすこし我慢して次の言葉を読んでみてください。

これが200年も以前に書かれた文章とは思われないほどの現代性を持って

います。                               

 『常備軍は時とともに全廃されねばならない。なぜなら、常備軍はいつでも

武装して出撃する準備を整えていることによって、他の諸国を絶えず戦争の脅威

に 晒しているからである。常備軍が刺激となって、互いに無制限な軍備の拡張

を競うようになると、それに費やされる軍備費の増大で、ついには平和のほうが

短期の戦争よりもいっそう重荷となり、この重圧を逃れるために常備軍そのもの

が先制攻撃の原因となるからである』(カント:永遠平和のために 岩波文庫)

 もう一昔になりますが、ペルーの日本大使館で人質事件が起こりましたね。 

世界の目がペルーからの毎日の報道に釘付けになりましたが、その報道で忘れ 

られない人がいました。国際赤十字のミニングさんという人がゲリラ側の銃口と、

政府側の銃口の間を赤十字のゼッケン一枚だけで何度も行き来して交渉に当たり

ました。この姿こそが日本という国のなすべきことだと思いませんか?どちらに

組みするのでもなく、両者の間の和解のために力を尽くす、これこそが我が国の

なすべき究極の姿だと思いませんか?「国際協力」・「国際貢献」という名目で

の軍隊を伴った暴力という最悪の、しかも最も簡単な最後手段に訴えるのでは

なく、和解のために汗を流すこと、これが平和憲法を持った日本に求められて

いることではないでしょうか?ODAの予算は8000億円を切っていますが、

防衛予算は何と4兆8000億円にも達し、ODAの6倍に相当します。防衛費

は毎年ほぼ、国家予算の6%以上を占めています。何たる無駄遣いでしょうか?

腹が立ちませんか?税金が高いはずですね。                

 「憲法を変えて戦争へ行こう                      

という世の中にしないための18人の発言」(岩波ブックレット)によると、 

『ミサイル1発が1億円として、そのお金でアフリカでは500万円で1校、 

つまり20校の学校が建つ。どちらがいいのか冷静に考えてごらんなさい』と 

訴えていますが、説得力があると思いませんか?軍備を持つということは、哲人

カントがいみじくも看破したように、「常備軍が刺激となって互いに無制限な 

軍備の拡張を競うようになると、それに費やされる軍備費が増大する」わけです。



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8. 良心的軍事拒否国家としての日本−−小田実氏の提言         

 ここまでお読みになって疲れませんでしたか?書くほうの私もいささか疲れ 

ました。もう少し我慢して最後まで読んでください。小田実氏の提言に入る前に

良心的徴兵拒否(Conscientious objector,COと略

される)という問題について紹介しましょう。               


良心的徴兵拒否の歴史に少し触れましょうか。


 Conscientious objectorは1900年ノルウェイに端を

発した制度で、20年後にはプロテスタントの多い北欧に広がりました。

その宗教的信念から徴兵されることを拒否したためにあらゆる迫害を受けました。

当然のことながら拒否した人々を待っていたものは、投獄・死刑やのろま・

臆病者・売国奴・反逆者などの罵詈讒謗を覚悟しなければなりませんでした。

しかし、次第に社会的に認知され、 ドイツでは制度化され、17万人が代替

義務として社会奉仕に従事しています。小田実氏は、このような制度を国の

レベルで行おうという注目すべき提案をしているのです。

 『日本は「良心的軍事拒否国家」であるべきだと、私は考えている。それが

日本国憲法―「平和憲法」の「平和主義」にもとづいた国のあり方であり、世界

に貢献するやり方である。(中略)拒否はただ銃をとらないことではない。

拒否者は兵役の軍事的貢献活動の代わりに兵役期間以上・社会的弱者救済・

救急活動・平和教育など、さまざまな市民的貢献活動を行って、社会に奉仕、

貢献する』 (jitugen@y-salon.com)。

 この原則に立てば、いわゆる多国籍軍はもちろん、武力制裁のための国連軍にも

兵力を派遣すべきでないことになります。集団的自衛権(これは言葉はもっとも

らしいのですが、実際にはアメリカ政府の言いなりになって、海外派兵をすること

に他なりませんが)も否定されます。さぞかしアメリカ政府からの圧力がかかる

でしょうが、耐えていくべきでしょう。



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9. 終わりに                             

 この文章を書くにあたっていろいろな本を読みました。それで分かったこと

は、改憲するしかないという問題は単に改憲派対非改憲派という国内問題では 

なく、全世界的な規模の問題、特にアジアの人々が息を潜めて日本の将来を

見守っているといっても決して大げさな言い方ではないということが分かり

ました。平和憲法のおかげで、からくもアジアの人々の信頼の絆が保たれてきた

のです。逆にいうと悲しいことですが、それだけ信頼されていないということ

です。したがって、この平和憲法を軽々しく改正し、ある政治家がいうように、

「使い勝手がいいようにする」なんてとんでもないことです。去年の朝日新聞の

「ひと」という欄に「弾圧の半生をユーモラスに語る弁護士」と題して韓勝憲

(71歳)という韓国人の方の紹介がありました。

『平和憲法があってこそ日本はアジアで信頼される。隣国から伝わる改憲の動きに

耳をそばだてている』と書いてありました。                   


 最後に聖フランシスコの「平和の祈り」の一部を引用し拙文の結びに 

代えたいと思います。                          


主よ、わたしを平和の道具とさせてください。              

わたしにもたらせてください……                    

憎しみのあるところに愛を、                       

罪のあるところに赦しを、                        

争いのあるところに一致を。                       

(須賀 敦子 訳)                           


 その都のために泣いて、言われた。                   

「もしこの日に、お前も平和の道をわきまえていたなら……。        

しかし今は、それがお前には見えない。                  

ルカ(19:41)                           

 ☆ 上記は「夜明けNo.55」(ブックレットNo.1、 2007年2月
11日、信教の自由を考える日に発行)より転載しました。
「夜明け」は日本キリスト教団生田教会、社会委員会の出版物です。




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